この引きずり方はやばい。
期待値を差し引いても、嬉しい誤算です。

いや~・・・
考えてみればこれだけ「エッジー」な世界観で演じるのはギフトぶりなんじゃないか。
思わず木村さんが「視聴者とのコミュニケーションがとれるのか」と心配したほどに。

(早速話が変わるけど、
この木村さんの「視聴者とコミュニケーションする」って考え方、ものすごく面白い。
まさしく5次元的距離感、姿勢、対処の感覚が鋭敏すぎる。
そしてそういう人を中心に据えた作品(=ボール)を受け取ることなしにディスりまくる人たちがいるというのも別の意味でなかなか面白いことではある・・・)

今日は木村さんの表現、以外のとこをつらつら。

自分なりに「安堂ロイド」のベスト視聴環境を試した結果、
①大画面 ②暗くする ③なるべく他の情報を入れない
でまさに自分にとっては「映画」的観かたとなりました。

作るほうも、パソコン・スマホいじりつつテレビを観る(テレビを観ながらいじる、ではなく)という今の視聴者の状況を意識的に無視してこういう画を構築してったのだろうと思う。

今のご時世、しかも日曜9時木村拓哉主演ドラマで、というのは相当勇気のいることなんじゃないか。
しかもSFアクションで、ってその層が一番テレビと縁遠くなっているイメージ。

今までで一番好きなSF作品は「銀河ヒッチハイク・ガイド」
(若き日のマーティー・フリーマン出演)だったんだけど、それと同じくらい私の記憶に残る作品になってくれそうな予感。

「これは絶対良い作品になる!」と思ったのは、
ロイドの上に羽が舞い落ちる冒頭シーン、の音楽。
弦のトレモロ(まるで新たな世界が呼吸を始めたかのような)の下で時折除く低音のピチカート、そしてフレーズがゆっくり発展していく様子。

話のピーク(=音楽のピーク)が木村さんの登場じゃないんですよね。
ストーリーはまた別で、「ロイド」の覚醒が一番のピーク、それに合わせて音楽のテンションも高まり、麻陽とロイドが出会ってからは音楽がまた別の揺れ方をしているし。

音楽もまた、物語世界をかたちづくる一つの要素だけれど、
その流れを意図的に木村さんに沿わせなかったあのシーンが本当に「あぁ、これは(私にとって・笑)面白いドラマになる!」と思わせてくれた一瞬でした・・・

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今はまだ「安堂」ロイド、となっているのが解せない。
それに、黎士・ロイドとも「勝つまでやる、何度でも」と言っている事がひっかかるし、(今ドラマで描かれてるのはすでに「何度」か試行された世界なのかも?)、黎士が一体何の歴史を捻じ曲げてしまったのかも。


あと10週近くこんな時間が続くのかぁー!
うひー!(嬉しい悲鳴)

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木村さんと柴崎さんの芝居ってお互いの「鋭敏」が共鳴増幅している感じ。
「黎士に対する、そしてロイドに対する麻陽」の表現にいちいち驚きながら、
二人とも、「鏡」のような感性をもってるなぁと一人で納得。
対象をそっくりそのまま写す機能としてではなく、鏡それ自体が対象の光・動きを吸い込んでいるかのような。個性を宿す鏡、というか。(変な表現だけれど)

それと、個人的に「おーっ」と思ったこと。
「孔子じゃないですよープークスクス」by黎士のところ、背後の板書全部木村さんが書いたように見える。(インテグラルが縦に伸びるあたり特に)
あれは、撮影時に「木村さんコレ板書してください」って言われていきなり書いたんだろうか。
自分よりも大きいモノに、バランス良く均等に(しかもぎこちなさなく)書くって結構難しいと思うのですが・・・
ちなみに私は知らず知らず右肩あがりになるぶきっちょ人間である。



コメント

HT
2013年10月17日22:50

>>弦のトレモロ(まるで新たな世界が呼吸を始めたかのような)の下で時折除く低音のピチカート、そしてフレーズがゆっくり発展していく様子。

素晴らしい…!
なるほど、なるほど。

>>麻陽とロイドが出会ってからは音楽がまた別の揺れ方をしているし。

音楽の使い方、とっても繊細だなぁと思う。
音の大きさも丁度よくて隅々まで行き届いた印象を受けます。
何となくだけど、REDLINEを思い出したんですけど、画面と音楽のバランスで。

羽根ロイドから入るとこなんてヲタのツボを知り尽くしてるなぁと感心。
作り手もヲタに違いない(笑)
天(井)から白い羽根と共に落ちてきた男。そりゃもう堕天使しかあり得ませんわ。

konynon
2013年10月19日22:38

>HTさま

あの最初の音楽、↑の記事で書いた低音ピチカートが映画館で音を「体感」するときの響きに近かったのです。
だから、音作りの段階からそちら志向にアンテナ張られてるんだなぁという連想から。

戦闘シーンは、おっしゃるとおりまた違ったコントラストですよね。
「REDLINE」もそうだし、ある意味SFアニメが背負ってきた系譜が反映されてるのかも。

作り手も楽しんでいるのが伝わるドラマを、視聴者として(モエ)楽しめるって素晴らしい。
きっと、<男から見た>のと、<女性から見た>「木村拓哉」の魅力を両方感じ取れる人が作り手の中にいるんでしょうね(笑)(笑)

明日はもう第2話!
来週も再来週もあるなんてー!(´▽`*)