「安堂ロイド」♯1。


難しい。

惹かれる理由を説明するのは。


頭よわよわ人間だから、
「なぜ惹かれるか」を完全理論分析した答えの先にはあまり魅力を感じない。
だれかを説得しなきゃいけないなら別として。

目を惹きつけて離させてくれない、そういうものを、
常に驚きと不思議さと(モエともいう)で自分の眼に映したい。

自分との親和性よりも、むしろ見たことのない輝きを。
そして、その感動をうざったく語って、残照だけでも繋ぎとめておきたい。
そんな変態ゴコロ。


「こんなドラマ見たことない!」と思えたこと。
これはかーなーり嬉しい驚きだった。
だから、分析ではなく、自分のなかに浮かんだあれこれをうだうだと。

木村さんを見初めたときにはもう「安心と安定のキムタクブランド」は確立されていて、
特にTBS⇔フジのドラマラリーでは、(もちろんチャレンジングな企画だったんだろうけど)
「今までのキムタクライン」でやったことのないピンポイントだったり「かつて一斉を風靡したキムタクを(社運をかけて)もう一度!」的な匂いを感じることも多かった。

そんな時には必ず、木村さんまでくすんで見えたし、クライマックスでは大体「伝家の宝刀キムタク」で押しきったりして、
それがすごく歯がゆかった。

今回は放送前からかなり期待して、そして楽々裏切ってくれた。
「今まで見たことない木村拓哉を!!」と触れこんでたけど、
それでも「キムタクライン」で制作されたドラマ群と一線を画してるんじゃと思えたのは、

「木村拓哉」という人が背負って創ってきたのとは全く違う表現世界を築いていた人がいるというのも一つ。
つまり、テレビのなかで強烈すぎる表現に引っ張られない人達。

そんな世界でシノギを削ってきた、そういう人たちが試行錯誤と同時にわくわくしながら作ってるのが分かる。


そして、木村さんの表現。
一言でいうと「一挙手一投足」なんだけどね。
ヨロヨロヘロヘロ気味な黎士と、背中に鉄の棒でも入ってんじゃないかと思うくらい上体が動かないロイド。
麻陽に向ける柔らかい眼差しと、光の入らないビー玉みたいな眼。
「なんでああいう表現ができるんだろう!?」っていう驚きに尽きる。

説明くさくなく、一話から飛ばしてくれた感じ。
細かいモエは一週間かけて消化反芻していこう。

じゃないと次の日曜日まで待てないから。
食虫植物的楽しみ方…








コメント

HT
2013年10月14日18:51

こんばんは。

安堂ロイドはタイトルの斬新さを裏切らなかったですね。
植田Pが公式ツイで「木村さんも柴咲さんも元々エッジーな人」だと呟いていて。
ああーそうそう、そうなんすよ!!またエッジのきいた企画でこそ輝く人なんです!
ここ数年、そこんところを無視したドラマばっかりだったよね。
konynonちゃんの言うくすむ、ってわかるわ。まさにそんな感じだった。
安全パイよりむしろ予想の斜め上行く企画でこそ、本領が発揮される。
それは柴咲さんも同様だろうし…。
植田Pはじめスタッフの方々がブレることなくラストまで突っ走るよう祈ってます。

konynon
2013年10月15日0:44

>HTさま

こんばんは!
ね。←
最近の木村さんは特に所謂「エッジー」な撮られ方はされてなかったように思います。
自分自身のもやと格闘させられてるような印象を受けた。
今回は、アイコンとしてより、表現者としての「木村拓哉」の新たな次元を覗けそうな。
正体不明、前人未到、予測不可能の領域に踏み込んでいくのは想像できないほど大変だと思いますが・・・
そういう局面で半端ない(謎の)輝きを放つ木村さんと、彼とともに挑む共演者スタッフの方々がどんなものを創ってくれるのか。

>ブレることなくラストまで突っ走るよう祈ってます。

うん。最高にわくわくする祈りです!