日曜日、「i come with the rain」観てまいりました。
んー・・・凄い。

フランス映画だし、ホラーサスペンス?だし、シアターは私一人かなぁと思っていたのですが…19時位の回で座席五割埋まってました。びっくり。
目玉テレビさんの宣伝効果、いいのかわるいのか…

隣の三人はお嬢様連れの家族だったのですが、思わず「いいんかい…」と口の中で呟きましたよ。

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さて、作品。
怒涛のスペクタクルが襲ってくるでもなし、価値観を押し付けるでもなし。
ただただ観る者に委ねられる作品だと、感じました。それが怖くも優しくもあるところでしょうか。
だけど「つまんない」って感じではなく、帰りの電車のなかでふつふつと映像や、感情が湧き上がってきました…「酔う」という感覚を久しぶりに味わいました。

レンズの絞りが多角的な感触を提示し、衣装はメタファーを類推させるようなテクスチャーを感じさせる。心象風景としての登場自分物に与えられた「空間」の美しさ。ちりばめられた音楽。

そして、「痛み」を体現しつくすためかと思える極力削がれた台詞と対極にある俳優陣の身体表現のバリエーション、それを受容し昇華する監督の叡智。
それらに思いをめぐらせる度に、また味わいたくなる。
私にとっては、中毒性があるみたい…

暴力的であり観るものにこれでもかと提示される「痛さ」、観客へ「要するにこれって~ってことよね~」などと言わせない表現方法、endingなど、絶対に気軽にお勧めすることはできない。
けれど、この特殊な、それでいて現代を象徴するようなこの作品に判断をくだすには文字通り「観るしかない」のである。
そして、席についてopeningを迎えた際には、「自分なりにわかろう」という気持ちで臨んでいただくことをお勧めする。きっと、自分自身が「何か」を捕えたくて仕方がなくなってくるだろうと思う。


私はまた、明日にでも観に行きたい。
shitaoに会いたい。

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