やっぱり寒いけど、コートにマフラーは少し汗をかくくらい。

本日は授業終りに大学主催の講演会へ。
何と!
「対談 中村勘三郎×唐沢寿明」凄いでしょ、ふっふっふ…
割とこじんまりとした会場は始まる前から熱気でモワモワしていた。
お二人が入場されると大きな拍手。
以下、記憶を手繰り寄せて印象的だったこと。
勘三郎さんは主にNYでの出来事を。
初めてNYに行ったのは19歳の時。アクターズスクールの校長にホームパーティに呼ばれると、デ・ニーロやらダスティン・ホフマンやらがラフな格好で集まっていた。日本では何が流行ってるんだと尋ねられたので「ロッキー」だと答えるとデ・ニーロは可愛く怒って「俺が今撮ってる”レイジング・ブル”っていう映画のほうが面白い!見ろ!」と言ったと。NY公演に来られるか出席者に訊くと多忙ななかデ・ニーロだけが来られることになり、フツーにチケットを買い、家に咲いていた花をプレゼントしてくれたのが印象的。
唐沢さんは「マクベス」でNYに行った時、会場で蜷川さんが挨拶を、とのことなので「堤真一です!!」と言ったら「真剣にやってんだよ!」と怒鳴られた(笑)
冗談が通じない人が一番怖いと。
NY、ベルリン、日本の観客と批評家の違いも興味深い。
唐沢さんはまず日本のお客さんに面白く見てもらえることが大事。それを別の場所でもやるだけのことだけど、たまに違うことする役者さんもいると(笑)
向こうの人にはセリフ間違えなんかわからないんだから~なんて仰ってたな。

それから「役者」について。
お二人とも大河を経験されている、まさに舞台も映像もする役者さん。
進行役のアナウンサーさんの「どうやって役者としての階段を上って来られたのですか」という質問には
「踊りなど、技術面は常に稽古しなければいけないが、最終的には人、そして経験」とお二人とも一致。
人は、もちろん役者仲間も。「面白い」「つまんない」ちゃんと言ってくれる人。表現している人は感じ取る力も凄い。ハートが近い人は嫌いなひともだいたい同じらしい(笑)
そして勘三郎さんは「法界坊」を例に出して、経験が積み重なれば、同じ演目でも全く違った心がまえ、そして面白さを感じることができる。

「移り変わりの激しい業界にいるなかで心がけていることは」という会場からの質問には、唐沢さんは「流れに逆らおうとしないこと、自分がやることをやるだけ」
「ありがとう・おめでとう等、言おうと思った時に口に出して伝えること、そうでないと後で後悔する」
勘三郎さんは「スタッフとつとめて仲よくすること、だんだん深まってくると仕事を早く仕上げてくれたりする」「演者の一番近くで働いているヘアメイクさんは役者のすの顔も見ている、そういう人も大事にできるように」
お二人とも「縁と運はある、幕前には必ず芝居の神様に祈る」と。
そして最後に唐沢さんの言った一言が上。

楽しい二時間余りでした。

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