ほんのすこし雨の気配。

 すっかり濃く固く繁った葉の間を通りぬけていく風。



天の海に雲の波立ち月の船 星の林に漕ぎ隠る見ゆ    <万葉集・人麻呂>



 何かが満ちては何かが引いていく。
 その”何か”がわからないまま、強さを感じる快さよ。

コメント

HT
2010年6月7日23:23

壮大な歌だねぇ・・・。
天と海と地、全てを一望にしながら心が広がってくようなイメージ。
読んでたら、万葉の人の心はゆったりと、もしかしたら今より遠くまで見通せてたような気がしてきました。

konynon
2010年6月8日23:22

>HTさま

この歌を見つけた時、感動してくらくらしてしまいました。
なんて遥かな詠みぶりでしょうか(笑)

確かに私たちはいろんな道具によってみることはできますけれど、
万葉の彼らに視えていたようには感じることができないことが増えているのかもしれないですね。

言の葉を大事に摘んで、大切に触れていきたいです…